人生5回目のむしばの治療

皆さんにとってはどんな歯科医が理想的でしょうか?ここで言うのは歯科医自身のお口の健康。「そんなことどうでもいい」と言う意見が大半であろうかと思いますが、今回はそのお話しです。
 歯科医自身の歯が虫歯と修復を繰り返しだんだんと残存歯数が少なくなってゆく虫歯スパイラルの状態にある歯医者さんや、歯周疾患にとりつかれて、グラグラの歯で悩んでいる歯医者さんというのはちょっと困ったもんでしょうか?もしくは、すでに歯が全くなく総入れ歯の歯医者さんというのも実際にいらっしゃいますし、その方々の入れ歯に対して望んでいらっしゃることは一般の方々とほぼ変わりないと言うことを読んだ記憶もあります。対照的に生まれてこのかた虫歯は一本もなく、歯周組織の抵抗性も強力で歯医者の治療台には一度も登ったことのない先生というのも患者になったことがないという意味では微妙な物がありますよね。
 前置きが長くなりましたが、遂に痛み出したんです、前々から少しだけ気になっていた左下の奥歯が。
物を噛むときたまにズキッとする、そしてその頻度が増してきたんです。この歯、左下の第一大臼歯は、他の3本の第一大臼歯と同じく今は亡き私の父が私が10歳前後の時に「アマルガム」を詰めてくれた物でした。幸い僕の歯にその後虫歯は出来ず、歯周疾患に対する抵抗もあり、それから現在に至るまでは親知らずの抜歯以外に診療台に登る機会はなかったんですが、今度ばかりは避けて通れそうにありません。
鏡で見ても特に虫歯が広がっているようには見えません、レントゲンを撮ってみても充填されたアマルガムの周囲に新たな透過性の亢進した部位(黒い影が広がった部位)は見あたりません。
①外から力を加えないと痛みは発生しない 
②冷たい物や熱い物に対する歯髄反応は正常である 
③歯を叩いても痛みはない ④レントゲンで深刻な虫歯の浸潤は見られない 
④詰め物の部位を鋭利な物で強く圧迫すると痛む、しかし痛みは圧迫した瞬間だけであり、すぐに解消する。
 以上のことから考えて現在の詰め物が何らかの原因で壊れて歯との間に一部隙間が生じていると判断し、この詰め物を新しくやり直すことが最も簡単で確実な方法であると結論づけたのであります。
さーてそうなると患者さんに「結局、虫歯は早期発見、早期治療が一番お得ですよ」なんて言ってる手前というかそう信じておりますのでこの場合「善は急げ!」であります。
幸い詰め物も大きくなく、部位もかみ合わせの面だけですし、しかも最もアプローチの良い左下と言うこともあり、当院の優秀な衛生士さんたちならば確実にこれを修復してくれると判断しましたので、今回は自分で治療をすることにしました。
麻酔を自分に打つのは以前親知らずを抜いたとき以来2度目です。十分に麻酔が効くのを待って(と言っても何時もの患者さんと同じ6分ですが)切削開始です、「キーン」という音のするドイツKavo社製エアタービンにアメリカS.S.White社製の#1557バーが40年強お世話になったアマルガムを削除してゆきます、思った通り除去された歯面には虫歯の浸潤は見られません。CDT(齲蝕検知液)にて虫歯の浸潤がないことを確認、少しだけ底の部分に残ったアマルガムタトゥー(アマルガムから銀イオンが溶け出し、象牙質に染みこんで黒く見える部位、虫歯ではなく銀イオンのせいで抗菌性がある)を除去しようとしたとき、ズキッとした痛みが!麻酔を追加して削りなおしですが、痛い、効きません、再度歯間乳頭から槽間中隔部へ麻酔を追加。どうにか効いたような未だちょっと痛いような感じを残しながらも窩洞形成終了。有能な衛生士さんにコンポジットレジンを充填、研磨して貰いました。
おかげで今では何でも食べられるようになり、またダイエット問題は懸案事項となったのでありました。
 お察しの通りこの詰め物はじつに40年以上にわたって機能してきました、時々自己検診するときにはやや表面に隙間やかげたところが出来てきて何か自覚症状があれば治療に着手せねばならないと思っていた部位でしたが、自己診断でレントゲン所見からは虫歯の浸潤はなく、また、僕自身はたいへんカリエスアクティビティーが低く、虫歯になりにくい体質なのと、充填されているものが、アマルガムで、抗菌性のあることも含めて経過観察をしていたところでした。もし僕の体質が虫歯になりやすい体質であったとするならもっと早期に治療を開始していたと思います。皆さんもご自身の体質を把握してそれにあったメインテナンスをすることをお勧めします、というかそういう考えの基でアドバイスしてくれる歯医者さんを選ぶことをお勧めします。
 今回は久しぶりに歯科治療を受けて、よりいっそう患者さんの気持ちに近づくことが出来たのではないかと思うしだいであります、もし当院で治療中に痛みを感じたときには遠慮無くお知らせ下さいね。
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by watdent | 2011-05-24 00:05 | お口の健康  

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